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2026.10.30
コラム
【獣医師が解説】犬猫にも保湿は必要?皮膚のバリア機能とスキンケアの必要性

寒くなり、空気が乾燥する季節になると、人と同じように犬や猫の皮膚も乾燥しやすくなることがあります。

「犬や猫は毛に覆われているから、保湿は必要ないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、犬猫の皮膚もさまざまな外的刺激から体を守る大切な役割を担っており、皮膚の健康を維持するためには適切なスキンケアが重要です。

今回は、犬猫の皮膚が乾燥する原因や皮膚のバリア機能、そしてご家庭で取り入れられる保湿ケアについて解説します。

今回のコラム監修者を紹介
著者のプロフィール画像

獣医師 森田 慶先生

獣医フリーランス協会 代表理事、株式会社Anicure/Anicure動物病院 取締役、東京動物皮膚科センター 歯科主任、特定非営利活動法人ペット災害危機管理士会 理事を務める。ペットスキンケアブランドMalukeの製品開発にも協力。

犬猫の皮膚が乾燥する原因とは?

犬猫の皮膚が乾燥する原因は、季節や生活環境、年齢、体質などさまざまです。

特に秋から冬にかけては、空気の乾燥に加えて暖房による室内湿度の低下が起こりやすく、皮膚の水分が失われやすい環境になります。

また、加齢に伴う皮膚の状態の変化や、洗浄力の強いシャンプー、過度な洗浄なども、皮膚の乾燥につながる場合があります。

さらに、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を持つ犬では、皮膚のバリア機能に異常が認められることがあり、乾燥や外部からの刺激に配慮したケアが必要になります。

ただし、フケや乾燥が見られる場合、その原因が単なる湿度の低下とは限りません。皮膚疾患や栄養状態などが関係していることもあるため、症状が続く場合には動物病院で確認することが大切です。

皮膚のバリア機能とは?人の皮膚との違い

皮膚には、体内の水分が過剰に失われることを防ぎ、外部からの刺激や異物の侵入を抑える「バリア機能」が備わっています。

この機能において重要な役割を担っているのが、皮膚の最も外側にある「角質層」です。

角質層は、角質細胞と、その間を満たすセラミドやコレステロール、脂肪酸などの脂質によって構成されています。

よく「レンガとセメント」に例えられ、角質細胞がレンガ、その隙間を埋める脂質がセメントのように働くことで、皮膚のバリア機能が保たれています。

犬猫の皮膚は人とは構造や生理学的な特徴が異なり、部位によっては角質層が比較的薄いことが知られています。

そのため、人に使用する洗浄剤や保湿剤が、そのまま犬猫にも適しているとは限りません。

犬猫の皮膚の特徴に合わせた製品を選ぶことが重要です。

なぜ犬猫にも保湿が必要なの?

保湿の目的は、単に皮膚の表面をしっとりさせることだけではありません。

大切なのは、皮膚の水分を適切に保ち、バリア機能を維持することです。

皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚から水分が失われやすくなり、外部からの刺激に対して敏感になることがあります。

特に犬のアトピー性皮膚炎では、角質層の脂質バランスの変化やバリア機能の異常が報告されています。

そのため、保湿剤などを利用したスキンケアは、皮膚疾患の治療を補助し、良好な皮膚状態を維持するための選択肢の一つとされています。

ただし、すべての犬猫に毎日の保湿剤が必要というわけではありません。皮膚の状態や生活環境に合わせて、適切なケアを行うことが大切です。

皮膚の乾燥を放置するとどうなる?

皮膚が乾燥すると、フケや皮膚表面のざらつきなどが見られる場合があります。

また、バリア機能が低下した皮膚では外部からの刺激を受けやすくなり、かゆみや炎症などの症状に関係することがあります。

かゆみが強くなると、犬猫が皮膚を繰り返し舐めたり、掻いたりすることで、さらに皮膚を傷つけてしまう場合もあります。

ただし、皮膚の乾燥が必ず皮膚炎や細菌感染を引き起こすわけではありません。

フケ、赤み、強いかゆみ、脱毛などが見られる場合には、アレルギー性皮膚炎や感染症、寄生虫などが関係している可能性もあります。

こうした症状がある場合には、保湿だけで対処しようとせず、獣医師の診察を受けることが重要です。

今日からできる犬猫のスキンケア

犬猫の皮膚を健康に保つためには、日常生活の中で無理なく続けられるケアが大切です。

① 室内の湿度を適切に保つ

空気が乾燥する季節は、加湿器などを活用して室内が乾燥しすぎないようにしましょう。

加湿しすぎるとカビなどが発生しやすくなるため、適度な湿度を維持することが大切です。

② シャンプーの方法を見直す

シャンプーは皮膚の汚れを落とすために大切ですが、洗浄力が強すぎる製品や不適切な洗い方は、皮膚に負担をかける場合があります。

皮膚の状態に合ったシャンプーを選び、適切な温度のお湯で洗い、十分にすすぎましょう。

シャンプーの頻度も犬猫の皮膚の状態によって異なるため、必要に応じて獣医師に相談することをおすすめします。

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③ 保湿剤を上手に取り入れる

皮膚の乾燥が気になる場合には、犬猫用の保湿ローションやスプレー、フォームなどを取り入れる方法もあります。

特にシャンプー後は、皮膚の状態に応じて保湿ケアを組み合わせることが有用です。

保湿製品には、グリセリンなどの保湿成分や、セラミドなどの皮膚の脂質に着目した成分を配合したものがあります。

ただし、製品によって配合成分や使用方法が異なるため、犬猫に適したものを選び、使用後に赤みやかゆみが生じないか確認しましょう。

猫ではグルーミングによって製品を舐め取る可能性もあるため、特に注意が必要です。

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④ 日頃から皮膚の変化を観察する

ブラッシングやスキンシップの際に、フケ、赤み、脱毛、かゆみなどがないか確認しましょう。

普段から皮膚の状態を観察しておくことで、小さな変化にも気づきやすくなります。

まとめ|保湿は皮膚の健康を守るための大切なケア

犬猫の皮膚には、体内の水分を保持し、外部の刺激から体を守る重要な役割があります。

乾燥しやすい季節や皮膚のバリア機能が低下している場合には、適切な保湿ケアが皮膚の健康維持に役立つことがあります。

一方で、保湿だけですべての皮膚トラブルを予防・改善できるわけではありません。

大切なのは、それぞれの犬猫の皮膚の状態に合わせて、無理なく適切なケアを続けることです。

毎日のスキンケアを通して、愛犬・愛猫の皮膚の健康にも目を向けてみましょう。

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